東京都中野区のマンションから突如、愛宕グリーンヒルズ27階へ移住

 2003年当時の竹山聡(たけやま さとる)は、中野区上高田のマンションに同郷である熊本県出身の事業パートナーである「吉永安宏(よしなが やすひろ)」と隣同士で暮らしていた。

 私が竹山から購入したブレインドリームプロジェクト社製品のサポートを求め、彼の自宅を訪問した時のことである。私の自宅からは車で5分。その日は竹山は不在で、対応には竹山とともに同社の営業であった吉永があたった。要件がすんで雑談となった。その屈託のない笑顔で吉永は言った。「この建物竹山の持ち物で他の部屋は貸し出しているんです」と。後述するが、実際には賃貸であった。

 竹山の”薫陶”によるものか、営業を担当していた吉永もまた、取引相手を魅了することに手段を選ばなかった。私が竹山のことを若手ベンチャーの旗手と心酔していたこともあるが、この二人がコンビプレイでつくウソは、乾いたスポンジのように私の中に染み込んでいった。まだ28歳ほどの起業家が中野区に不動産を所有している(実際はウソ)ことにため息をつきながら、私は吉永にたずねた。「竹山さんは世に言う『天才』ですか?」と。吉永は人懐こい笑顔を急に真顔に変え、もったいつけるようにゆっくりとうなづきながら言った。「はい。天才ですね…彼は」と。

 だが2004年を迎えるまでに、吉永は、彼がIT製品開発チーム*に引き入れた影山大介氏、中村政哉氏らともに、忽然と姿をくらました。竹山いわく株式上場さえ視野に入れたインターネットテレビ電話「イメージフォン」のハレのプレスリリースまであと数ヶ月だったのにである。(*有限会社ブレインドリームプロジェクト/株式会社イメージボックス/株式会社IMG いずれも竹山聡が社長)

 それはなぜか?竹山の裏切りが発覚したからである。チームには「販売代理店からの入金が遅れている」と言い逃れしながら億単位のすさまじい金額の横領、不信感を抱いた取引先企業とのトラブル、それを覆い隠すための無数のウソ。竹山は、統括、一次、二次といった販売代理店契約を大小様々な法人個人と見境なく結び、その対価として受け取った代金のほぼすべてを自分のものとして蓄財するほか、下記写真にも登場する女性との遊興費に使ったものと思われる。プロジェクトチームは無給、手弁当、持ち出しといったありさまであったようだが、竹山とその女だけは、会うたびに服装や持ち物が派手に高級になっていったという。これは後に影山から聞いた話ではあるが、幼馴染みである竹山の途方もない裏切りに気づいた吉永はショックのあまり嘔吐し、怒りのあまり彼に殴りかかろうとしたが影山らに止められたという。

 こうして開発チームは空中分解。エンジニアである影山や中村がいなくなり、「イメージフォン」プロジェクトは頓挫した。「会議システム」開発は暗礁に乗り上げたのである。が、ここからである。なんと「イメージフォン」については、目玉ともいうべきビジネスユースな製品「会議システム」不在のまま、プレスリリースが飯田橋グランドパレスにて決行された。この決行は、販売代理店から契約金を巻き上げてトンズラの予定であった竹山聡の意志ではなく、だまし(製品不在や意味不明な追加料金を要求)に気づき、危機感を抱いた販売代理店の突き上げ(竹山を公衆の目から逃げられないようにする目的)で行われたものだった。

 「イメージフォン」プレスリリースからわずか2,3ヶ月後のことだった。竹山聡は愛宕グリーンヒルズの270○号室に10年間の法人契約をしたから引っ越すのだという。この引っ越しの際、私は解約の立ち会いに訪れていた不動産会社を通して竹山と吉永のウソを知った。上高田のマンションは竹山の所有するものではなくただの賃貸物件であった。この頃から、私は竹山聡について不信感を抱きつつあった。プレスリリースをしておきながら、事業の実体がまったく見えないからである。竹山聡は働いている様子もない。超高級賃貸マンションの契約やポルシェやBMWを買う話をしたかと思えば、私に妙な「ビジネス」=「私がするのと同じこと(つまりは同様の詐欺)をすれば稼げるんだ」と勧めるようになったからだ。はじめは竹山が何を言っているのか私には理解できなかった。まさに常軌を逸した人間である。詐欺の被害を与えた相手に詐欺を勧めるのだから。良心のひとかけらさえない。他の販売代理店からの怒りの声も聞くようになった。営業していた「イメージフォン」の「会議システム」はついぞ一度も見ることがなく、会議システムのデモはいつ見られるのかと、問い合わせだけは相次ぐのであった。

 愛宕グリーンヒルズの270○号室の家賃はいくらであろうか。70万円から100万円である。その資金はどこから出たのであろうか。言うまでもなく私たち、大小の販売代理店が支払った金である。竹山聡は販売代理店の契約金として650万円を支払っている私に対して、「イメージフォン」のサービスを一方的に停止すると通告し停止した。年間契約のサービスであるのにだ。他の大手販売代理店に対しても同様であった。やりたければ自分で通信サーバーを借りて専用回線を契約するようにと言う。めちゃくちゃな話である。こうして竹山の詐欺行為を確信した私は、彼が鎮座する愛宕グリーンヒルズの居室に返金を求めて談判しに行くことになる。ICレコーダーをしのばせて。そこには、27階ベランダで外界を見下ろしながらルームサービスを楽しむ件の女の姿があった。(つづく 詐欺師の驚愕の返答。「ボクはもらったお金は返しません」)

1対1のデモは行ったが
会議システムのデモはしない
開発陣が辞めているから

1対1のデモは行ったが
会議システムのデモはしない
開発陣が辞めているから

竹山聡の幼なじみで
事業パートナーであった
吉永安宏

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