3億5,000万円のイカれた詐取スキーム。”日本発・世界初”の正体―Zoomより10年早いインターネットテレビ会議システムで約3億5千万円を騙し取った竹山聡」(執筆中)

未分類

はじめに

今やZoomはだれもが使う当たり前のツールになった。パソコンでもスマートフォンでも、ワンクリックで世界中の誰とでも顔を見ながら話せる。コロナ禍でその存在は決定的になり、もはやZoomなしのビジネスは考えられない時代になった。しかしZoomが登場したのは2013年のことだ。

それより約10年前の2003〜2004年、「日本発!世界初!」を謳い、「イメージフォン」としてインターネットテレビ会議システムの販売加盟権を売り歩いた男がいた。竹山聡である。多数の会社経営者や個人が、数百万〜数千万円単位の加盟金を支払った。その総額は約3億5千万円(根拠は後述)に上る。しかしそのシステムは幻だった。本稿は詐欺師の手口の記録であり、被害者自身の告発である。

第一章 「イメージフォン」―技術的事実の検証

竹山聡が売り物にしたのは、Macromedia社のFlash Communication Server MXを使った「イメージフォン・ミーティングシステム」と称するインターネットテレビ会議システムだった。14人同時画面表示(同時通話は4人まで)、年間定額使用料わずか126,000円(税込)という触れ込みだった。

まずはこのシステム、技術的に実現可能であったかについて。当時の技術的・市場的背景を検証した結果は以下の通りだ。Flash Communication Server MX バージョン1.0は2002年7月9日にリリースされており、テレビ会議・インタラクティブチャット等のアプリケーション構築に対応していた。バージョン1.5は2003年3月27日にリリースされ、HTTPトンネリング・Linux対応・無料開発者版が追加されている。14人同時接続についても、Personal Edition($499・最大50同時接続)の範囲内であり、接続数の制約はクリアしている。

通信環境についても、当時の日本はYahoo! BB(ソフトバンクBB)の参入による価格破壊でADSLが急速に普及しており、2003年のITU(国際電気通信連合)の調査でブロードバンドの「安さと速さ」の総合評価において日本は世界第1位を獲得していた。アメリカより日本の方が通信環境は上だった。つまり技術的問題をクリアしていた。しかるにイメージフォンは、MacromediaやMicrosoftといった世界的ITサプライヤーが公開した新たな通信技術基盤を、個別・商用にカスタマイズしたものに過ぎない。しかし、当時の日本のブロードバンド環境が世界屈指であったこととその部分的な仕様において「日本初・世界初」といち早く商用化を謳うことは可能であった。そして、その年間定額使用料わずか126,000円(税込)という「超低価格」の価格設計が確固たる根拠にもとづくものであったならば、そのサービスの有用性においても「世界一」「日本発」と称されるに値しただろう。だが、ここで問題にしたいのは採算性の甘さではない。見通しの甘さから早晩破綻するサービスは世に数多い。それはビジネスリスクの範疇であり、兆候を読み解く余地もある。被害もおのずと限定的だ。

本当におそろしい問題点とはこれであった。すなわち、その超低価格な価格設計は、最初から詐欺のスキームとして精緻に組み立てられていたものであるということ。すなわち、画期的な超低価格で優良サービスを装い→商機を確信した代理店希望者を引き込み→代理店権利金を前受けし→そのまま姿を消す。これが竹山聡の設計した詐欺の構造の全貌であった。

第二章 採算の壁――なぜ誰も商業化できなかったのか

ここに竹山聡が作成した資料がある。「ウェブチャットサイトのイニシャルコスト及びランニングコここに竹山聡が作成した資料がある。「ウェブチャットサイトのイニシャルコスト及びランニングコスト」と題されたIMG/IMAGE BOX名義の見積書だ。2003年のものである。

その内容はこうだ。

イニシャルコスト合計:4,000,000円

  • 映像配信サーバー構築費:600,000円
  • 映像配信コンテンツ制作費:2,350,000円
  • 回線(50Mbps専用線、初期費用込み):650,000円
  • Webサーバー構築費:100,000円
  • データベースサーバー構築費(共有):300,000円

ランニングコスト:850,000円/月

  • 回線(50Mbps専用線):500,000円/月
  • サーバー管理費:350,000円/月

この数字は2003年当時の企業向け専用線・ホスティング費用として概ね妥当な水準だ。竹山聡はコスト構造(きわめて高額なサーバーと回線の費用)を正確に把握していた。また重要な点としてこの資料には「http://dxlive.comと同様のシステム」と明記されている。dxlive.comとは何か。アダルトライブチャットサイトである。当時、Flashを使ったライブ映像・音声チャットシステムは、主にアダルト業界ではすでに商業化されていた。なぜアダルトだけが成立したのか。1分課金・高単価という収益モデルがサーバーと回線のコストを上回ることができたからだ。逆に言えば、企業向けテレビ会議の卸価格年間35,000円(販売価格は126,000円)では絶対に回収できない。それでも市場には破格値を、代理店には利益率72%(一般的な40%の約1.8倍)という卸価格を提示した。成立し得ないビジネスモデルだと知っていてこの値段で売ると言った。なぜか。代理店を釣るための餌である。提供するつもりのない者だけが設定できる価格だった。これが詐欺の故意の証明である。

1台のサーバーで品質を保ちながら同時に動かせるテレビ会議セッションは最大40社分。それ以上詰め込めば正常動作しない。では40社の契約料で採算が取れるか?竹山聡(株式会社IMG)が代理店から受け取る卸価格は年間35,000円。40社×年間35,000円÷12ヶ月——月額わずか約117,000円。月85万円のサーバー・回線費に対して月約73万円の赤字だ。サーバーをフル稼働しても、竹山聡の手元に入る収入ではサーバー・回線費の14%しか賄えない。

だが、「卸値」なのだから、竹山(株式会社IMG)が自分たちの利益を確保したうえのものと考えるのは代理店側の大前提というか当たり前の話。また、売り切りのテレビ会議システムの販売にはサーバー・回線費などは代理店にはわからなくてよい。伝えなくてもすむ。運営規模の大小や変化のあるライブチャット運用とは異なるからだ。それも竹山聡には都合が良かった。しかし実態は、竹山聡の利益を乗せるどころか、サーバー・回線費だけで大赤字になる構造だった。だから代理店の目に映るのは、業界の常識を覆す異常な安値のエンドユーザー向け販売価格と、それでも利益が取れる激安の卸価格だけだ。「これだけ安く売れてこれだけ利益が取れるなら商機だ」——そう信じ込ませる。これが竹山聡の詐欺スキームの核心だった。(※まとめると2パターンの詐欺だ。ライブチャットシステムの受注であれば、先の見積もりで正常なサーバー・回線費を提示しつつ着手金等をせしめてトンズラ。テレビ会議システムについては、代理店にはサーバー・回線費を隠しつつ驚愕の売価と卸値で釣り加盟金をせしめてトンズラ)

ではサーバー1台につき、実際にサーバー・回線費がペイするには何社必要だったか。なんと291社だ。しかし1台のサーバーで同時に動かせるのは40社。291社すべてが同時利用することはないにせよ40社は利用率わずか14%鳴り物入りで世に出た新サービスの同時利用率が14%などありえない。だから実際にその価格で卸し販売されていれば、サーバー・回線はパンクで、画面や音声は途切れたり遅延したりで使い物にならなかったのは明白である。サーバー・回線費用すらペイしないのにそこに利益を見い出そうとすれば必要な契約は291社どころの話ではない。しかしサーバーにはキャパオーバー。はじめから成立しないビジネスモデルだった。さらに聞いて驚くことなかれ。プレスリリースで一斉集客して薄利多売を狙うなら、申し込みに対応するためのサーバーと回線の準備体制は相当なものが求められる。では竹山聡にどれだけの準備があったのか。

テレビ会議システム用のサーバーは1台すらない。「ゼロ」であった。

イー・ビジョン社に竹山聡はテレビ会議用のサーバーと回線を注文していない。それはそうだろう。はなから提供するつもりのないサービスのために、数ヶ月分の前払い金を払う気などなかった。詐取金を最大化するためだ。「やろうとしたができなかった」——詐欺師の常套文句さえ、コイツには使えない。準備がゼロだったのだから。アリバイすらない詐欺だった。


第三章 決定的証拠―キラープロダクト(テレビ会議システム)に必要な帯域を確保しなかった

ここに一枚の契約書がある。株式会社イー・ビジョンと株式会社IMG・代表取締役竹山聡の間で交わされるはずであった「業務委託基本契約書」だ。イー・ビジョン社は、テレビ会議システムを動かすためのサーバーの外注先である。しかし竹山聡はこの契約書にもとづく注文をしなかった。イー・ビジョン社は「竹山さんに見積書はお送りしたんですが」とその理由を証言している。数ヶ月間の最低契約期間があり前払いが必要だったからだ。なぜ注文しなかったのか。答えは単純だ。テレビ会議システムなどはなから提供するつもりがなかったからである。いやもっと正確に言えば、竹山聡の契約金全額横領、詐欺商法で会社は空中分解、開発チーム離散のため、仮に回線契約したとしても、テレビ会議システムは製品としてリリースできない状態となっていた。

それでも、竹山聡は「1対1」通話用の「細い回線」は確保していた。詐欺の継続のためである。プレスリリースとデモの偽装工作に必要な最低限だ。しかし販売代理店にとってのキラープロダクトである「テレビ会議システム」の運用に不可欠な大容量帯域は契約していなかった。これを動かす「気」はもとより「能力」もなかったのである。「1対1」の通話モデルは実際に動いた。しかしそれだけでは販売代理店として事業は成立しない。「会議システム」こそがキラープロダクトだった。そのキラープロダクトが幻だった。竹山聡のウソだった。テレビ会議システムは動いていないし動かせなかった。詐欺罪における「欺罔の故意」—すなわち、騙すつもりがあったことの証明—として、これ以上明快な証拠はない。


第三章の二 信用工作――Panasonic、Lifeカード、KDDIとの「提携」

だがここで疑問が生じるかもしれない。なぜ多くの会社経営者や個人が、これほどの金額を支払ったのか。竹山聡は周到だった。加盟金を引き出すために、名だたる大企業との提携を演出した。それも一つや二つではない。ウソは大きければ大きいほど騙せるを字で行っている。Panasonic、Lifeカード、KDDI、、、—誰もが知る企業の名前を並べ、「これだけの企業が後ろ盾についている」と信じ込ませた。なかでも悪質なのがPanasonicとの提携を示すニセの「契約書」だ。しかし、精巧な製品画像とともに提示されたその契約書をよく見ると、松下電器側の印鑑の欄に押されているのはなんと「有限会社ブレインドリームプロジェクト」—竹山聡自身の会社の印である。この偽造は、プレスリリース時に壇上にいた総発売元IMGコミュニケーションズ代表の田端伸行氏が、権利金として1,500万円を支払ったものの契約を履行しない竹山へ不信感を表したところ、竹山が苦し紛れに作り上げたものである。


第四章 私が体験した「赤っ恥」――偽のIDとパスワード

私は竹山聡から、この幻のテレビ会議システムの偽のIDとパスワードを渡された。そして父親のツテでアポイントメントを取った大阪の上場企業の社長の前に赴き、プレゼンしようとした。システムは動かなかった。先述した理由から当然のことだった。当方は先方に迷惑をかけ、赤っ恥をかき、茫然自失のうちに帰宅した。私はその後も幾度と、竹山聡にデモンストレーションを催促した。しかし彼は一度も見せなかった。見せられるものが存在しなかったからだ。偽のIDとパスワードを用意する—この行為の狡猾さに注目してほしい。「システムはある、ただ今はちょっと繋がらない」などという言い訳の余地を作るためだ。被害者が「動かない」と訴えても「回線の問題だ」「設定が悪い」「もう少し待て」などと言い逃れができる。詐欺師の計算された演出である。


第五章 連結決算書という名の記録

さらにここに竹山聡が提示した「連結決算書」がある。平成13年度、IMG Intelligence Media Groups Inc.名義のものだ。連結損益計算書には約3億5千万円の売上高が計上されており、連結貸借対照表には284,543,000円規模の数字が並ぶ。この書類については二つの可能性しかない。

偽造であれば——投資家や加盟希望者に対して実在しない企業グループの信用を演出するための偽装工作であり、それ自体が詐欺の道具である。「Intelligence Media Groups Inc.」という英語法人名を冠した連結決算書は、実態のない会社群をあたかも国際的な企業グループとして見せかける典型的な手口だ。
本物であれば——存在しないシステムを「提供する」と偽り、多数の会社経営者や個人から詐取した総額が3億5千万円に上ることを、竹山聡自身が記録していたことになる。

どちらに転んでも詐欺である。が、私はこれをある意味「本物」だと考えている。この詐欺師はウソをつきまくっている。ついたウソを覚えておくのは大変である。またウソをつくにはホントも混ぜなければいけない。しかし、自分の「戦果」を誇示したい欲求も合わせれば、騙し取った金額であればその額や由来を空で流暢に言えるだろう。その得意な様子がそのまま次のダマシへの都合の良い道具となる。この連結決算書はまさにその産物であろう。


第六章 Zoomが証明したこと

今でこそ当たり前のように存在するZoomの登場まで、約10年の歳月を要した。なぜ10年かかったのか。通信環境の問題ではなかった。日本はすでに世界最高水準のブロードバンド環境を持っていた。問題はクラウドインフラのコストだった。AWS等のクラウドサービスが本格普及した2008年以降、ようやくサーバーコストが劇的に下がった。さらにFlashがiPhoneから排除された2010年以降、HTML5とWebRTCという新しい技術標準への移行期間が必要だった。Zoomの創業者エリック・ユアンがCisco WebEx出身者として「WebExでできなかったことをやる」という問題意識で創業したのが2013年。ようやくすべての条件が揃った瞬間だった。しかし、2003〜2004年当時、インターネットテレビ会議システムを採算の取れるビジネスとして提供することは、世界中の誰にもできなかった。アダルト業界の高単価課金モデルを除いて。竹山聡はそれを知っていた。だからそれをブレークスルーする製品を出す「フリ」をして、詐欺に利用した。


第七章 詐欺の最終段階――「ところで、来月からの回線費用どうします?」

大小様々の代理店から十分に権利金を騙し取った頃合いを見計らって、竹山聡はとぼけたようにこう言い放つ。

「ところで、来月からの回線費用どうします?」

これはたとえて言うなら、トヨタ本社が販売代理店に向かって「車は卸してあげる。ただし車の材料費、組み立て工場、工員の給料などは自分で負担してくださいね」とトボケた顔で言い放つようなものだ。製品を作って提供するのはメーカーである。販売代理店は権利金を払い販売コストを負担するのであって製品の製造コストやサービスの運用コストを負担するのではない。インターネットテレビ会議システムで言えば、販売代理店がサーバー代を負担する筋合いなどどこにもない。怒り狂うのは当然だ。

しかし竹山聡はしらばっくれる。「なんでボクが回線代を持つんですか」と。

当然に大騒ぎとなり販売代理店は事業どころではない。竹山聡は私にも平然と言い放った。「来月でサーバーを止めます。今動いているのはボクのサービスです。サービスで今月末までは動かしますが、あとは知りません」と一方的に通告した。

それから私はこのクソ野郎と2回ほど話し合った後に完全に決裂し、刑事告訴するに至るわけだが、その完全決裂前にコイツの口から出た次の言葉に唖然としたことを覚えている。コイツは今回、詐欺に手を染めたわけではなく、始めからずっとそれを計画していたこと、そしてこれからも詐欺を生業として生きていくつもりであることを知ったからだ。竹山は、いつも片手に持っていたアルミメタルのシステム手帳をかざしながらこう言った。「柏木さんももっと頑張らないと。ボクなんか常に半年先1年先2年先のビジネスのアイデアwを最低10個は考えている」と。私はこの頃は竹山聡のダマシを確信し”内偵”中であり、この発言も録音しているのだが、手が出そうになるのを必死でこらえたことを覚えている。世界初!日本発!「イメージフォン」のプレスリリースからまだたった2ヶ月も経っていない。「おい竹山聡!おまえイメージフォンどうしたんだよ!」

つまりは、加盟金を奪い終わる前から、次の詐欺の構想をコイツは温めていたということだ。被害者への責任や良心の呵責など1ミリもない。はたしてこれが、長嶋氏のWAVE2000などを騙って投資家を信用させ太陽光詐欺へと続くのである。さらに私の知人のジャーナリストによれば、仮想通貨詐欺ニチリョクの件へと次々にシステム手帳の詐欺アイデアを実行に移していったのである。

さらに「イメージフォン」に関しては、私から追加の資金を引き出そうとしてこんな発言もした。「統括販社がいるからあなたの立場のことで頭を悩ましている」と。代理店として契約した相手に向かって、他の代理店の存在を「悩みごと」として語る。自分が手当たり次第に各地の中小企業や個人に声をかけ、代理店権利金を奪い続けた結果に過ぎないのにである。それで収集がつかなくなったから何だというのだ。プレスリリースで統括販社・総発売元・開発元と階層を語っておきながら、乱立する代理店間の整合性など最初から存在しない。結局は卸しもしない、存在すらしない製品の卸価格をわずかに変えて調整するなどそれはもう滅茶苦茶であった。


第八章 証拠の全体像

本稿で提示した証拠を改めて整理する。

①業務委託基本契約書(注文なし) 株式会社イー・ビジョンとの間の契約書。竹山聡はこれにもとづくテレビ会議システム用の大容量帯域契約をしていない。最低契約期間の前払いを惜しんだからだ。提供する意思が最初からなかったことの物的証拠。

②ウェブチャットサイトのコスト見積書 月85万円のランニングコストを、年間35,000〜126,000円の価格で提供できるはずがないことを、竹山聡自身の資料が証明している。

③dxlive.com参照の記載 アダルトライブチャットと同じコスト構造を持つシステムを、企業向け超低価格で提供すると称した。採算が取れないことを熟知していた証拠。

④偽のIDとパスワード 存在しないシステムへのアクセス情報を渡すという詐欺発覚遅延工作。

⑤Panasonicとの偽造契約書 松下電器側の印鑑欄に自社の印を押した偽造書類。総発売元として1,500万円を支払った田端伸行氏が証拠提出を要求した際に発覚した。ほか偽ロゴマーク製品画像多数。

⑥連結決算書(約3億5千万円の売上計上) 偽造なら信用演出のための詐欺の道具。本物なら詐取総額の自己記録。どちらに転んでも詐欺の証拠。

コメント

タイトルとURLをコピーしました